家の売却にかかる税金や手数料などの費用は?

家の売却にかかる税金や手数料などの費用は?

家を売却する際に、売主は売ることによって得られるお金の方に目がいきがちですが、出て行くお金の方にも着目する必要があります。
まず、不動産業者に媒介契約を締結して販売活動をしてもらった場合は、買主と売買契約を締結した段階で、成功報酬にあたる「仲介手数料」を支払う義務が発生します。この料金は、宅地建物取引業法第46条およびこれに基づく国土交通省告示によって金額に上限が設定されており、不動産業者はこの金額を超えなければ自由に料金を決めることができます。実際に多くの不動産業者は、この上限に限りなく近い金額を仲介手数料として設定していますが、近年はこの料金を無料とする不動産業者も登場しているので、売買の仲介を依頼する際には仲介手数料についてもよく確認しておきましょう。
また、仲介料を請求された場合は、請求金額が上限を上回っていないかどうかを請求書等を見て確かめる必要があります。不動産業者の中には、仲介料の額面を上限の範囲内に収めておいて、他の費用の名目で仲介業務をする際にかかった費用を請求して、上限を上回る報酬を手にしようとする業者が存在するからです。仲介業務にかかった費用は原則としてすべて仲介料に含めて請求しなければならないので、請求書を見ておかしな点があったら不動産業者に尋ねて納得できるまで説明を求めましょう。なお、不動産業者が上限を上回る仲介料を顧客から受け取った場合、受け取った者は100万円以下の罰金に処され、その者が勤務している不動産業者は行政処分の対象となります。
手数料として請求されることがある費用はこの他にも、売買代金の一部をローンの清算にあてる場合に金融機関に支払う繰上返済手数料が挙げられます。この費用を支払う際には、抵当権抹消登記にかかる費用も必要となるので忘れずに用意しましょう。

 

所得が増えるので、所得税&住民税がかかる

 

一方、家を売却すると、税金を納めなければならなくなる場合があります。その代表的なものが所得税、住民税、および所得税額をもとに税額が決められる復興特別所得税です。家を売ることによって生じる所得は所得税法上では譲渡所得に分類されますが、不動産の売却によって生じたものに関しては、給与所得や一時所得、雑所得などといった他の所得と合算せずに所得金額と税額を計算し、売った年の翌年の2月16日から3月15日までの期間内に確定申告をして、その後申告した税額を納めなければなりません。
不動産売却による譲渡所得金額は、家を買った日から売った年の1月1日までの期間を所有期間とし、この期間が5年を超えていれば長期譲渡所得に、5年以内であれば短期譲渡所得に分類し、区分ごとに所得金額と納めるべき税額を算出します。所得税と住民税の税額は、売買代金と固定資産税の精算金からなる収入から、売却手続きにかかった経費および不動産取得にかかった経費を差し引いた金額を譲渡所得金額として、これに所定の税率を乗じれば求めることができます。
土地や建物を売って利益が出た場合に納めなければならない税金は、一般的に高額になります。そのため、国や地方公共団体では、物件を売る時に一定の要件を満たしていれば、譲渡所得金額から一定額を特別控除できるようにしたり、軽減税率を適用できるようにする制度をいくつか設けるなどして、税負担の軽減や次の持ち家の購入促進をはかっています。
また、自宅を売ったのに利益が出なかった場合は所得金額がゼロ円以下となるため、所得税と住民税はゼロ円となります。通常、納めるべき税金がゼロである場合は確定申告は不要ですが、あえて必要書類を揃えて確定申告をすることで、譲渡損を他の所得で相殺して所得金額を減らすことができ、譲渡損を控除しきれなかった場合は翌年以降に繰越控除することもできるようになります。
売却する際に納めなければならない税金は他にもいくつか存在します。まず、売買契約をする際に当事者に交付される契約書は、印紙税法で定められている課税文書の一つとなっているため、契約書には必ず収入印紙が貼り付けられます。売買契約書の印紙税は売主と買主が連帯して納めることとされていますが、売主は原本を保存することになったときのみに費用負担が求められるケースが多いです。
また、物件を買主に引き渡す際には、土地と建物それぞれの所有権移転登記も同時に行いますが、この登記は登録免許税の課税対象となっています。所有権移転登記における登録免許税額は、取引対象不動産の価額に所定の税率を乗じた金額となっています。なお、登記手続きは司法書士に依頼して代行してもらうのが一般的であり、引き渡し日には登録免許税だけでなく司法書士費用の支払いも発生します。
家を売る際にかかる費用のうち、税金や手数料については上記の通りですが、この他にも引っ越しとそれに伴う行政手続きにかかる費用など、考えておかなければならない費用はたくさんあります。新居に引っ越しをする際には、最低限かかる経費を見積もった上で準備に入るようにしましょう。